はじめての介護では介護の現場から最新のコラムやニュースをお届けします

明日は我が身?辛い多重介護の現実

LINEで送る
Pocket

老夫婦

高齢化社会、少子化の進む中で介護に関する問題が深刻化してきています。老老介護や高齢者の孤独死の問題など様々ですが、その中でも最近問題視されているものに多重介護があります。1人で複数の家族を介護することです。

配偶者と実の両親であったり、さらに祖父母、義理の両親など、様々なケースの多重介護が考えられます。高齢化に伴う要介護者の増加、少子化によって介護をすることができる家族が減少しているため、複数の介護をしなければならない人が増えています。

日本ケアラー連盟という団体が2010年に調査したところ、2000人のケアラー(※1)のうち25%もの人が複数のケアを行っていることがわかりました。医療や介護を在宅で行う流れが進みつつありますが、このような多重介護を在宅で行う場合の介護者の負担は限界を超えるものがあります。

多重介護の場合、病状が違う二人を看なくてはならないことが精神的肉体的な負担となります。予測できないことが同時に起こり、順番に対応して息をつく暇もありません。実の親だと親の希望に応えたいと、在宅で頑張っていく人が非常に多いのです。結果、介護者自身が倒れてしまうことも多々あるようです。

もう一つ深刻なのは、経済的な問題です。付きっきりで介護しなければならなくなるため、仕事を続けることが難しくなります。介護保障を受けられるとしても、生活を維持できるほどの支給額ではないでしょう。多重介護の場合、介護保険内のサービスでは賄いきれない可能性があります。そうなると節約を心がけても足りず、貯金を切り崩しながらの生活をするのは目に見えています。ゴールが見えないまま進まなければならないのが介護。「いつまでこのような生活を続けるのか?」「貯金は持つのか?」といった精神的な不安も大きくなります。

さらに高齢者の場合、認知症を患う人も出てきます。「財布が盗まれた!」自宅にいるのに「家に帰りたい」などという言動は日常茶飯事で、昼夜問わずの徘徊や異物を食べてしまうなどという行動が出てくると、深夜も目が離せなくなります。多重介護でこのような状況下にあれば、並みの精神力では耐え切れないでしょう。

比較的安価に入居できる特別養護老人ホーム(特養)に入ることができるのは、要介護度3以上に定められており、要介護度2以下の場合入居することができません。(特例が認められる場合はあります)では、要介護度3以上であればすぐ入居できるのかというと、簡単な話でもありません。特養の待機待ちは年々増加し、2〜3年待ちはざらという現状です。要介護度2以下の方や特養に優先的に入れる方でない場合、介護付有料老人ホームであればすぐに入居できる可能性は高いですが、月々の費用負担は20万円前後となり、介護者は生活を圧迫することになるでしょう。この費用をまかなえないようであれば、在宅で自分が介護しなければなりません。要介護度だけで判断される入居の優先度が正しいのか今一度検討してもらいたいものですが、晩婚化の傾向や、最近では独身の男女が多いため、1人で両親の面倒を見るケースが増えているのです。多重介護を増やしている背景としてあります。

※ケアラーとはケアの必要な家族や近親者を無償でケアする人のことを指します

LINEで送る
Pocket

Related posts

うなずきかぼちゃん 468*60